
怪獣の裏側を支えた男が亡くなった。
オリジナル版から1972年の映画『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』まで、『コジラ』の全シリーズにおいてコジラ・スーツを着た中島春雄が、88歳で亡くなった。
東宝が中島の死を発表し、「当社を象徴するキャラクターであるゴジラを演じた最初のスーツ・アクター、中島春雄さんの死にお悔やみを申し上げます」とコメントした。中島は8月7日(現地時間)に肺炎のため亡くなった。
中島のキャリアは、黒澤明監督の著名な映画『七人の侍』や映画『太平洋の鷲』など、サムライ映画や戦争映画でスタートした。そして、本多猪四郎監督による1954年の映画『ゴジラ』でゴジラ役を務めた。
RIP Haruo Nakajima, the classic #Godzilla suit actor. He was 88. #中島春雄 pic.twitter.com/Yx0PjmBvLw
— Patrick Macias (@Patrick_Macias) 2017年8月7日
中島は4月に行われたインタビューの中で、1954年版のオリジナルのゴジラのコスチュームは、世界第二次大戦後の品不足でゴム製品が入手できなかったため、生のコンクリートで制作されたと述べている。そのため、重さ100キロのスーツを着ることを余儀なくされた。また、怪獣の演技を研究するため、東京の動物園に通い、様々な動物の動きを鋭く観察した。
中島はゴジラだけでなく、他の怪獣も演じた。東宝のスーツ・アクターの第1人者として、1961年の映画『モスラ』でモスラ、1967年の映画『キングコングの逆襲』でキングコングを演じた。また、映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』や映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』などを含む、数々の映画で怪獣役を演じている。晩年には、全米各所で行われたイベントを含む、日本の怪獣に関するコンベンションに招かれ、また、2010年には自伝的な著書『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』を上梓した。
『ゴジラ』シリーズは、世界のモンスター映画を代表する存在となった。東宝によるオリジナル作品は実に29本製作され、ハリウッドではリメイク作品が3本製作されている。
―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』