『ドライヴ』(11)黄金コンビ、ニコラス・ウィンディング・レフン監督とライアン・ゴズリングが、公開中『オンリー・ゴッド』で再会した。超大作のオファーを蹴って本作に執心したレフン監督が明かす、映像化の理由とは? 仕事観も絡め、奇才の心中をのぞいた。
舞台はタイ、バンコク。裏で麻薬密売に関わるボクシングクラブ経営者のジュリアン(ゴズリング)は、巨大犯罪組織を仕切る母クリステルに兄の復讐を命じられ、ミステリアスな事態に巻き込まれていくサスペンス。
レフン監督特有の映像美と過激な暴力描写は健在で、「自分にとってパーソナルなテーマがあった」と作品への想いを明かす。
「ちょっと、『オンリー・ゴッド』をなしに、次には進めなかったね。金額的に巨額な作品のオファーもあったけれど、『オンリー・ゴッド』に取りつかれていたので、まず撮る必要があったわけだ」
それが何かは置いておいて、話はライアン・ゴズリングへ。「彼とは似た者同士だ」と盟友を評するレフン監督。「ウマが合うので、すべてが上手くいく。チャレンジ精神も旺盛で、周囲が止めても正しいと思うことは貫く奴だ。いわゆるアルター・エゴ(もうひとりの自分)としては、一番好きな俳優だよ。分身だね(笑)」と全幅の信頼だ。『ドライヴ』(11)の時のインタビューではロスの街を深夜にドライヴをしてMTGしたというが、理想的な間柄だ。
さて、パーソナルなテーマとはナンだったか? この点、「僕は、最終的にスッキリと満足感を得た(笑)」と得意顔のレフン監督だが、その詳細について情報開示を願うと、「まあ、究極的には、僕にしか分からない問題だからね(笑)」とあやふやな回答が戻った。「ただ、己の問題を題材にする意味だが、間違いないのは、そもそも自分以外に題材がないということだよ。僕の作る作品は、僕自身だ。そして、それ以外のナニモノでもない。映画を作ることは言ってみれば、僕の中の悪魔を除霊するようなこと。映画製作は、エクソシスト的な行為だよ」と笑うレフン監督。
『オンリー・ゴッド』を観てレフン監督のパーソナルなテーマを読み取った人は、どう本作を評するか。またしても波紋を呼びそうな一作だ。
映画『オンリー・ゴッド』は、1月25日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー!
【関連情報】
映画『オンリー・ゴッド』公式サイト
http://onlygod-movie.com/
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