米20世紀フォックスが製作しているアガサ・クリスティ原作の映画『オリエント急行殺人事件』のリブート版で、ケネス・ブラナーが名探偵エルキュール・ポアロ役で出演し、同時に監督を務めることが分かった。
プロデューサーにはリドリー・スコット（映画『オデッセイ』）、サイモン・キンバーグ（同）、マーク・ゴードン（映画『スティーブ・ジョブズ』）、そしてブラナーが名を連ね、スコットらと映画『オデッセイ』を手掛けたマイケル・シェイファー、アディッティア・スードらも何らかの役割でプロデュースを務める。
マイケル・グリーン（映画『Blade Runner 2（原題）』）が脚本を執筆中で、スティーブ・アスベルと共に製作を監修する。
1934年に出版されたクリスティの小説は、有名な列車に乗り込んだ殺人犯を軸に展開する。多くの乗客が容疑者として浮上する中で、ベルギー人の名探偵ポアロが事件を解決していく。
本紙ヴァラエティは2013年に、フォックスがシドニー・ルメット監督の1974年の映画『オリエント急行殺人事件』のリメイク版のプロジェクトを進行していると報じた。1974年の作品では、アルバート・フィニー演じる天才探偵が、オリエント急行に乗っていた米国人富豪の殺人事件の捜査に乗り出す。ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、ジャクリーン・ビセット、コリン・ブレイクリー、ショーン・コネリー、ジョン・ギールグッド、アンソニー・パーキンス、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、マイケル・ヨークら有名俳優たちが容疑者を演じた。
この作品は全米で3500万ドルの売上に達しただけでなく、第47回アカデミー賞で6部門にノミネートされ、スウェーデン人宣教師を演じたバーグマンが3度目のオスカー受賞となる初のアカデミー助演女優賞を獲得した（過去2回は主演女優賞）。
クリスティの小説は、2001年にCBSでテレビシリーズ化され、アルフレッド・モリナとレスリー・キャロンが出演した。
ブラナーの監督作品には映画『ヘンリー五世』や映画『マイティ・ソー』、映画『シンデレラ』などがある。
アガサ・クリスティ社の会長であり、またクリスティのひ孫のジェームス・プリチャードは、「私の曾祖母の小説の素晴らしい点は、時代を超え、映画の体験に完全に適しているということです。オリジナル小説の出版から80年が経ちましたが、フォックスと制作チームは、クリスティのクラシックな小説『オリエント急行殺人事件』を世界中の新しい観客に届けてくれるでしょう。私たちは純粋に、このパートナーシップとそこで語られる33のポアロの物語に興奮しています。この映画が、多くのコラボレーションの最初の作品となることを楽しみにしています」と語った。
クリスティ・プロダクションのCEOで、同時にアガサ・クリスティ社の著作権管理を担当するヒラリー・ストロングは「私たちはかなり以前からフォックスの素晴らしいチームと仕事をしています。このプロジェクトのために集まった素晴らしい才能たちと共に仕事ができるなんて、これ以上嬉しいことはありません」と語った。
プリチャードとストロングは本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務める予定だ。ストロングは本作においてアガサ・クリスティ社との交渉をまとめた。