シャーロック・ホームズの生みの親である作家、アーサー・コナン・ドイルの著作権を管理するコナン・ドイル財団は、シャーロック・ホームズを題材にした新作映画『Mr. Holmes(原題)』の製作者たちに対し、著作権で保護されているストーリーを使用した著作権侵害の主張をしていたが、このたび和解が成立した。
米映画会社ミラマックスの声名によると、「コナン・ドイル財団、ミラマックス、ロードサイド・アトラクションズ、ビル・コンドン監督は、コナン・ドイル財団がミラマックス、ロードサイド・アトラクションズ、コンドン監督に対してニューメキシコ州管轄区連邦地方裁判所で起こした訴訟が、当事者間における満足のいく解決となったことを発表する」 「ミラマックス、ロードサイド・アトラクションズ、コンドン監督は、コナン・ドイル財団に対し、アーサー・コナン・ドイルによって書かれた一定の題材を映画『Mr. Holmes(原題)』で使用することについて感謝の意を表明する」とのことだ。
2015年5月、コナン・ドイル財団は、イアン・マッケランが主演を務める同年7月公開の『Mr. Holmes(原題)』について、ミラマックス、ロードサイド・アトラクションズ、コンドン監督を相手に訴訟を起こした。この訴訟では、作家のミッチ・カリン、および『Mr. Holmes(原題)』の原案になったカリンの著書『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』(2005年出版)の出版社であるペンギン・ランダムハウスも、同訴訟の被告人として名を連ねる。
同年9月、財団の弁護士を務めるベンジャミン・アリソンは、双方がこの訴訟を和解する方針に合意したと述べた。
財団とカリンおよびペンギン・ランダムハウスについても、昨年夏に同様の和解が成立した。アリソンは、電子書籍版の『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』については、「コナン・ドイル財団の正式な許可を得た著作物使用」だと認めている、とコメントした。
『Mr. Holmes(原題)』は、年老いて引退したホームズが自分の人生を振り返り、未解決の事件にかかわっていく様子が描かれている。
財団は今回の訴訟で、コナン・ドイルの多くの作品の著作権は公有に属するが、1923年から27年の間に出版された10作品については著作権が保護されていると指摘した。これらの作品では、ホームズの引退とその後の人生についての詳細が描かれている。